ESGreen−NEO Q&A

11.防水層の劣化要因とESGreen−NEOによる劣化防止

 防水層,殊に最も信頼性が高く,普及しているアスファルト防水の場合,劣化要因の大部分が次の要因であるとされている。
1,物理的損傷(施工時,使用時)
 歩行,スコップ,カッターなど金属製道具類,縁石等重量物落下,その他建築機械,道具類落下,引掛け,引きずり,飛来物などによる物理的損傷
 ESGreen−NEOでは,施工時には,金属製のスコップ等の使用は禁止します。また,カッター縁石加工等は必ず場外で行うものとし,施工時の損傷を防止します。
 また,ESGボードを施工後は防水層と土壌及び芝の施工は絶縁される為,安心です。
(露出防水に比べると,施工後の落下,飛来物による被害は生じません)
2,光劣化
 露出防水では太陽光中の紫外線による材料の分解が起こります。
 ESGreen−NEOにより光は完全に遮断されるので,防水層の光劣化は起こりません。
(*1)ESGreen−NEOは,コンテナ,プランター,デッキ材などの部分を除き,全面施工することが,最も望ましいことです。プランター,デッキ材などを置く場合は,必ず,遮光シート等を用い,光を遮断してください。
(*2)事情により,どうしても防水面が露出する場合は,熱反射・遮光シートや,ESCO2N−Rc30パネル(豆知識参照)を施工してください
(*3)パラペットや,建物の立ち上がり部も熱反射・遮光シートやESCO2N−Rc30パネル,遮光板等により,直射光が当たらないように工夫してください。

3−1,高温熱劣化(熱分解,酸化等の熱反応)
 アスファルトルーフィング面は,露出防水の場合,時に75℃を越えることもあります。
 このため,基材及びルーフィング層内に含まれるアスファルト組成物は,熱的にも分解してゆき,酸化反応も起こります。特に高温ほど反応は進み易くなります。また,分解した成分は揮発,流亡,再反応を起こし,ルーフィングを固くしてしまいます。
露出アスファルトルーフィング面が最高55℃(夏期の平均)になる時,従来の屋上緑化下のアスファルトルーフィング面が最高35℃,ESGreen−NEOでは,アスファルトルーフィング面は断熱材の効果も加わって最高30℃にしかならず,熱劣化は著しく抑制されます。
 化学反応では,一般的に10℃の温度差で反応速度が2倍違います。このことを考えると,ESGreen−NEOの熱劣化防止効果がお解り戴けると思います。

3−2,低温劣化
 低温になるほど材料の硬度は高くなります。また,降水後の凍結による材料劣化(殊に目地部や立ち上がり部)が生じることもあります。従って,ESGreen−NEOで低温化を防ぐとともに,できれば立ち上がり部もESCO2Nパネル等を施工して置くと安心です。

4,熱伸縮劣化
 露出防水では,昼夜の温度差により,毎日のように熱伸縮が繰り返されます。この為,材料内部や,特に貼り合わせ目地部や端部は,常にストレスを受け,劣化の原因の1つとなります。
 盛夏には昼夜温度差が露出防水面で40℃を越えることも珍しくありません。
露出防水面の昼夜温度差が38℃となるとき,従来の屋上緑化では9.5℃,ESGreen−NEOでは,0.6℃という実測データがあります。
ESGreen−NEOでは,事実上殆ど熱伸縮が起こっていない状態といっていいでしょう。

5,組成劣化
 防水層の組成が,徐々に変化し,劣化が進行する現象です。
 アスファルトルーフィングは通常不織布などの基材とアスファルト及び微量の金属成分から成っています。
 アスファルトは,多様な成分から構成されており,揮発,分解,低分子組成物のにじみ出し(ブリーディング)や流亡などが徐々に起こり,ルーフィングはUSD工法で押さえコンクリート下面迄水が滞留しているケースでは経年でかなりの吸水(水潤)をしていることが報告されています。基材も湿度やアスファルト成分などにより組成劣化が徐々に進行します。
 また,特に水潤状態に長期に置かれると,水潤劣化及び微生物による劣化も無視出来ません。防水層は水に強いと言われるアスファルトルーフィングでも,なるべく乾燥状態に置いておくことが望まれます。
ESGreen−NEOは断熱成型品(ESGボード)により,緑化層と防水層が"絶縁"されているため,防水層への外部要因の影響は殆ど無いと言って良く,またESGボード下面の空気層及び排水溝により迅速な排水と乾燥が進み,従来の屋上緑化の様な水潤状態の常態化が避けられる為,組成劣化は極めて少なくて済み,防水層の寿命延長効果を示します。



外断熱押さえ工法(USD工法)では,25年経過後も劣化の進行が緩慢であることが分かっています。また,既築団地の10,20,25年目のサンプリング測定をもとにした「アスファルトの針入度の経年変化」に従って推定されるアスファルトの耐用年数はUSD工法では平均約41年であったとの報告があります。(USD工法の場合,雨水が防水内部に浸入し断熱材の性能とアスファルト防水層の性能低下を共に促進させていることが判明しており,雨水の滞留も起こっています。)ESGreen−NEOでは,こうしたことも考慮して,排水を充分にとり,防水層の常時水浸を防ぐ形となっており,更に耐用年数の延長が可能となっています。また,USD工法の押さえ層が75℃以上にも昇温し,防水層もその熱移動の影響も受けるとを考えると,外断熱プラス気化熱冷却効果(芝緑化層)を有し,高々40℃迄しか昇温せず,緑化層と防水層が断熱材及び空気層,排水溝で絶縁される,ESGreen−NEOの場合相当期間寿命が延長される(40年を越える期待)と考えるのは自然且つ合理的なことです。


その他,消耗の激しい特殊な場所の建物や,汚染物質を大量に有する大気汚染地域の建物など特殊な条件による劣化もないとは言えません。 以上のようにESGreen−NEOシステムは,防水層の劣化要因を殆どカットすることができるため,長期間,ほぼ「現状維持」をすることとなり,大幅な防水層寿命延長効果が期待でき,これにより経済的にも2〜3回の防水層更新費用が節約でき,エコ(LCCO2)の点からも,CO2削減効果が期待できます。

 防水層は,遮水とは異なり,水勾配があることを前提にしています。従って,ドレインの詰まりによる水浸が生じると漏水にも通じます。ESGreen−NEOは粘質性と膠質性の高い杉・檜樹皮発酵処理材とシルト,クレー部のない火山砂礫粒を使っており,ESGボード内に収容されているため,ESGreen−NEOシステムによるドレイン詰まりの心配はありませんが,一般的に飛砂や枯葉,排水溝に発生した苔などが流れて排水層を詰まらせることも往々にあるため,必ず定期的にドレイン孔,排水溝の点検は行って下さい。

(防水層の屋上緑化や,外断熱による劣化防止に関する文献)
1)都市緑化技術研究所 住まい技術研究チーム 相馬正美,調査研究期報No.139,146−155(2004)
2)松原,相馬et al,日本建築学会大会学術講演棟概集,849〜(2005)
3)建設大臣官房技術調査室監修,(財)国土開発技術センター建築物耐久性向上技術普及委員会編「建築防水の耐久性向上技術の開発」建築物の耐久性向上技術シリーズ建築仕上編U,技報堂出版,(1987)


防水は,材料から施工,フォローに到る迄,高度な専門技術,技能を要します。防水に関する詳細,現場診断等は専門メーカー,工事業者様にご相談下さい。(当社からもご紹介致します。なお,ESGreen−NEOは,上述の如く,大幅な防水層寿命延長が期待されますが,当社として「保証」できる性格のものではないことをご理解下さい。)



《豆知識》  ESCO2Nパネルシステム
 海水化学工業が開発・販売している外断熱プラス潜熱冷却システム。
外断熱プラス緑化システムESGreen−Rfシステムの緑化層(土壌+芝)を「保水・蒸散促進性,層内通水性を有したセラミック粒結合構造層」に置き換えて,押出発泡スチレン断熱板と1体成型したパネルを用いたシステム。ESGreen−Rfシステムとほぼ同等の断熱性と潜熱冷却能力を有し,原則的にメンテナンスフリーで,表面材の不燃性及び,パネル構造の飛び火試験【(財)建材試験センター】も合格している。(特許出願済)RC用と金属屋根用がある。

製造販売元

海水化学工業株式会社
環境バイオ・システム事業部

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